日本代表、コンフェデ道中記BACK NUMBER
イラク戦は単なる消化試合ではない。
ドーハで20年前ではなく未来を想う。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2013/06/11 12:00
ドーハでの練習後、「何があっても、この代表にいる時はしっかり役割を果たすつもり」と語っていた中村。本田、長谷部らが外れるイラク戦でも、当然“勝ち”を狙っていくつもりだ。
W杯出場決定後、新しいスタートの第一歩として。
「新しいスタートの第一歩だけど、いままでやってきたことの延長線上にこれからがある。やることは変わらないし、つねに成長していきたい」
ワールドカップまでのスタンスを問われた中村憲剛は、胸に抱く思いを淀むことなく明かした。2010年の南アフリカW杯までのプロセスを知るベテランの思いは、このチームに関わるすべての選手が共有すべきものだろう。
誰がピッチに立つのか、どんな11人が並ぶのかは、大きな問題ではない。誰が出場しても、どんな組み合わせでも、チームの良さを出せるかどうかに、イラク戦の評価基準はある。
”悲劇“から20年を経て実現するドーハでのイラク戦というノスタルジィを、僕は試合前日にして頭のなかから追い払った。未来へ向かっていくチームに、郷愁は必要ない。