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弱点を克服した由規が、
新世代の旗手になる。
text by
永谷脩Osamu Nagatani
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2010/08/20 06:00
8月5日の中日戦でプロ入り初完封。126球を投げきり、一度も三塁を踏ませなかった
「下半身がしっかりしてきた。腕が前に前に伸びるようになってきたら、もっと速いボールがいく。マー君と投げ合ってひと皮むけた感じじゃないの」
6月13日、ヤクルト・由規が楽天・田中将大に投げ勝ち2勝目を挙げた試合の後、楽天・佐藤義則投手コーチは、由規の活躍をこう予言していた。
プロ入り前、志望球団は地元の楽天と噂された由規。佐藤コーチとは同じ「サトウヨシノリ」のため「同じ球団では何と呼ばれるのでしょうか」と無邪気に語っていたが、縁がなく'08年、ヤクルトに入団した。
高校時代から最速156kmをマークし、高い期待がかけられていたが、プロ入り後は伸び悩んでいた。活きのいいボールを投げるのだが、長いイニングを投げられない。指にマメができやすく、すぐにそのマメが潰れてしまうのだ。カルシウム剤等を服用したが効果は見られず、伊藤智仁コーチが指導したのは、最も原始的な対策だった。