自転車ツーキニストのTOKYOルート24BACK NUMBER

夏休みだ! お台場だ! だけど、
レインボーブリッジが渡れない。 

text by

疋田智

疋田智Satoshi Hikita

PROFILE

photograph bySatoshi Hikita

posted2010/08/22 08:00

夏休みだ! お台場だ! だけど、レインボーブリッジが渡れない。<Number Web> photograph by Satoshi Hikita

 いやー、私事で恐縮なんだけど、芝浦の湾岸タワーマンションの30階に住んでましてね、目の前が東京湾。で、海の向こう岸、真っ正面に、お台場のフジテレビが見える。

 船の科学館も見えるし、観覧車も見える。レインボーブリッジなども目の前だ。かつては「等身大ガンダム」が見えたこともあった。ガンダム君、今はなくなってしまって(この夏、東静岡駅前にあるんだってね)ちょっと残念。

 とにかく遠目で見ていると、港区台場という地域は、ほとんど「地域丸ごとテーマパーク」みたいなもので、常に何かイベントがあって、常に人が集まっているのである。最近買ったタムロン270mm望遠レンズでにらんでみると、おお、海を挟んで本当にその人出が見える見える見える。あの島の中身は一体どうなっているのだろうか……。

 ということで、今回は夏休み企画。台場アイランドツーリングなのだ。

夏休みは早朝だ!

 で、早朝に走り始めてみた。やはり夏休みといえば早朝であり、蝉の声であり、ラジオ体操だからである。

 芝浦のコンクリートジャングル、高層マンション地帯でも、おや、やってるよ、ラジオ体操。小さい子供もたくさん出てきてる。

 ただ、私の子供の頃と違うのは、足下が「土」ではなく「アスファルト」もしくは「コンクリート」であることだ。東京都港区と宮崎県日南市(私の出身地)はやはり違うから。その脇を通り抜けて、我がBD-1は行く。

 しかし、自転車での早朝はいいね。まだ交通量は少ないから、走りが非常にスムーズだし、空気が爽やか。風の匂いが「夏の朝」そのものだ。

 都心でも蝉はワンワン鳴いている。蝉は強いね。少ない土の中で7年辛抱した末、東京でもこうして外に出てくる。何だか少年時代を思い出す。

 それにしても「思い出す少年時代」は、なぜいつも夏なんだろうなぁ。しかも、常に自転車とともにいるんだ。

 夏! 朝! 自転車! 額の汗!

 サドルの上の夏のオジさんは、ココロの中で束の間少年に戻るぞ。

【次ページ】 渡れないぞ、レインボーブリッジ。

1 2 3 4 5 6 7 8 NEXT

他競技の前後の記事

ページトップ