日本代表、2014年ブラジルへBACK NUMBER
オランダでゴール量産中――。
ハーフナー・マイク、進化の予感。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byTakuya Sugiyama
posted2013/04/16 10:30
日本代表では11試合4得点。途中出場の機会が多く、最終予選ではまだゴールを奪えていない。
筋トレはもちろん、体重増加にも貪欲に取り組む。
「オランダに行ってみて、本当に良かったなって思ってる。(フィテッセでは)いろんなポジションをやることで守備とかも学べているし、監督からはよく『まだ激しさが足りない』とかも言われてる。プレーでもメンタルでも鍛えられていると思うんです。だから代表の試合に出て、今の自分がどれぐらいチームに貢献できるのか、やってみたい。もちろん最終予選なんでヨルダンに勝ってW杯行きを決めることが一番大事ですけど」
カナダ戦を控えたドーハ合宿中、充実した表情を浮かべるマイクがいた。近くで接してみると、なおさら体がごつくなったと感じた。
肉体改造に取り組んできた成果。
日々の筋トレはもちろんのこと、体重増量に励んできた。
「肉とご飯を意識していっぱい食べてます。間食にクッキーとか、トーストとか多少、無理してでも。まあ、あんまり太らない体質なんですけど、それでも2kgは増えました。試合が終わったらグッと体重が落ちて、1週間食べて85、86kgに戻すという繰り返し。試合が終わってもあまり体重が減らないようになれば、もっといい体になる。90kgぐらいはいきたいですね」
ビッグクラブも注目するチームメイトのプレーに学ぶ。
体づくりと併行して、プレーに磨きをかけてきた。
フィテッセには不動のストライカー、ボニーがいる。屈強な身体能力を誇り、得点能力も高い。今季既に30ゴールを挙げており、ビッグクラブも注目する逸材だ。逆にマイクはシーズン当初からレギュラーを獲得できず、トップ下、左右のMF、そしてボランチまでテストされている。
しかし彼は中央でのプレーにこだわりを持ちながらも様々なポジションで起用されることをプラスに受け止め、貪欲に吸収しようとしてきた。中盤、サイドの感覚を身につけることで、様々な角度からサッカーを考えられるようになった。というより、考えるクセがついた。
得点もさることながら、アシストも多い。トップ下や左MFとして結果を残し、レギュラーに定着するようになった。1トップで起用されることも増えてきた。
自分に何が足りないのか。
成長したいという意識が、自然とボニーのプレーに目を向かせた。体の使い方、ポジショニング、シュート……カナダ戦で1トップとして最低限の結果を残すことができたのも、ボニーを眺めながら、考えるクセをつけながら1トップでやるイメージを働かせてきたからに他ならない。