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23歳のマキロイ、マスターズに挑む。
“若さの特権”は大舞台で通じるか? 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byAP/AFLO

posted2013/04/11 10:30

23歳のマキロイ、マスターズに挑む。“若さの特権”は大舞台で通じるか?<Number Web> photograph by AP/AFLO

マスターズの練習ラウンドでプレーするマキロイ。今季最初のメジャー大会で、その一挙手一投足に世界からの注目が集まる23歳である。

躓きをすぐに取り戻せるのは、23歳という“若さの特権”。

 2月にはこんな騒動もあった。

 連覇を狙ったホンダクラシック2日目。開始8ホールで7ストローク落とし、折り返しの18番で第2打を池に突っ込むと「“親知らず”が痛い」と言って途中棄権。疑惑の目と非難を浴びた。しかし翌週の大会では「最後までプレーしなくちゃいけなかった」とすぐに謝罪。「僕はまだ23歳で、まだ勉強中だ。今回のことからも多くを学んだし、もうこんなことは起こさない」と。

 マキロイは“若さの特権”を存分に活かしながら、自らの思う道を突き進んでいる。

 言ってしまったこと、やってしまったことは取り返しがつかない。だから自分への過信や、過ちを素直に認め、次の一歩を踏む。意固地に体裁を繕うことより、いち早い前進を選ぶ姿がある。紛れもない逸材がマスターズ制覇のためだけに、なりふり構わずガムシャラになった。

 そして緊急出場したサンアントニオでは単独2位でフィニッシュ。疲労を持ち込んでオーガスタに入ったが、しぼんだはずの期待は、土壇場でもう一度膨らみ始めた。

帝王は不調の原因を「クラブではなくスイング」と喝破。

 今季の不調を語る上で、切っても切り離せないのがクラブ契約の変更だ。年間20億円とも言われるその巨大な金額もあってか、そこに原因を求める識者も多い。ただそれに対し、マスターズ史上最多の6勝を挙げた帝王ジャック・ニクラスらは、異論を唱える。

「原因はクラブではなく、スイングだ。道具に問題があればナイキが彼の望むようにしているはずだ」

 今年はニクラスがマスターズを初めて制してから50年という節目の年。当時ニクラスは23歳。そして今年、マキロイは23歳で5度目の挑戦を迎える。新しい伝説の始まりとしては、なんとも整った舞台でもある。

 ところでマキロイは2年前、グリーンジャケットに限りなく近づいた。初日からトップを走り、3日目を終えて2位に4打差。だが最終日サンデーバックナインに突如崩れて80の大たたき。15位に終わったのは、キャリアでも大きなターニングポイントとなった。

 当時、まだ21歳でしかない若者がマスターズで優勝争いを繰り広げたという光景は、同世代のプレーヤーたちにとって衝撃的な出来事だった。初参戦の'09年には同組で予選ラウンドを回った石川遼も、また同じ思いだった。

【次ページ】 同年代の石川遼にもマキロイの活躍は大きな指針となる。

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