厳しい状況にある選手たちの交渉が後回しにされる理由。

　しかし、厳しいシーズンを過ごした斎藤隆投手や松井秀喜選手、高橋尚成投手、松坂大輔投手の場合は優先順位が低くなる分、どうしても交渉が後回しにされてしまう。それが現在の状況だと理解してもらえばいいだろう。

　どのチームもそうなのだが、他の補強との兼ね合いを考慮しながら変化する予算に応じて契約を決めていくので、ひとつの補強ポイントにも大勢の候補がいるからなのである。その中で、まずはある程度の予算を回せる優先順位の高い選手から徐々に交渉を行なっていくのである。

刻一刻と変化するチーム状勢に目を光らせる代理人。

「我々の戦略として週に1回は各チームと連絡をとるようにしている。そしてその中で先発投手を必要としているチームが現れたら、そこから本格的な交渉を行なっていくことになるだろう」

　こう説明してくれたのは松坂の代理人を務めるスコット・ボラス氏だ。同氏の指摘通り、各チームのニーズはオフの間でも刻一刻と変化している。

　というのも補強というのは単純にFA選手の獲得だけでなく、そこにトレードという要素も加わり、どのチームも補強を進めれば進めるほど、予算や補強ポイントが変わっていくことが多々ある。その分、代理人は全チームの動向に注目していかねばならないわけだ。

　裏を返せば、まだ所属先が決まっていない日本人選手たちも、いつオファーが届いてもおかしくはないということになる。いずれにせよ年明けからキャンプ開始まで今後の動向を注視していくしかない。

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