フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
NHK杯でのファイナル決定が見えた!?
無良のGP初優勝で高橋らが有利に。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byEnrico Calderoni/AFLO SPORT
posted2012/11/21 10:55
左から、2位のジェレミー・アボット(アメリカ)、無良崇人、3位のフローラン・アモディオ(フランス)。「全日本選手権に向けて大きな自信になった」とコメントした無良。
見えてきた――GPファイナル進出の顔ぶれ。
もっとも今季のGP大会に限って言うなら、無良の優勝は高橋と羽生らを助けることになった。
スケートカナダで8位だった無良に、GPファイナル進出のチャンスはない。フランス大会出場男子の中で、唯一GPファイナル進出のチャンスが残されていたのは、カナダ大会4位だったアモディオのみだった。もし彼が優勝していたら、いずれも前のGP大会で2位だった羽生と高橋はNHK杯で優勝するか2位になる以外、GPファイナル進出の可能性はほぼなかった。
だが無良の健闘によってアモディオは3位に終わった。その結果、高橋、羽生ともNHK杯では表彰台に上がりさえすれば、GPファイナル進出がほぼ決まる。かなり精神的プレッシャーが除かれたことだろう。
女子では、優勝したアシュリー・ワグナーがGPファイナル進出を決め、ここで3位だったユリア・リプニツカヤの進出もほぼ確定。スケートカナダ4位、フランスで2位だったエリザベータ・トゥクタミシェワも進出の可能性は高い。NHK杯で浅田真央、鈴木明子らが普段通りの演技をして表彰台に上がれば、残る2スポットは彼女たちのものとなる。
だがもちろんどの選手も、心のどこかでほっとしながらも、NHK杯ではベストな演技をして優勝することしか頭にないに違いない。
いよいよ、GPファイナルへの切符を目指して最後の戦いがはじまる。