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開幕ダッシュはまぐれだったのか?
真価を問われる乾とフランクフルト。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byD.Nakashima/AFLO
posted2012/11/08 10:31
乾は10試合連続の先発出場を果たしたものの、プレーは精彩を欠いて、早い時間での途中交代となった。これで5試合ノーゴールが続く。
「今のままじゃ、まだまだ、甘いのかな」
「(ゴールを量産していた時期と)特に感じが違うとかはないです。でも、やっぱり、フランクフルトなんてナメてかかられていた部分はあった。だからね、そういう部分で、ちょっと先手、先手はとれていたのかなとは思います。まぁ……自分なんて、日本人で、別に注目もされていなかったし。そういう意味では、本当に、楽だったのかなとは思いますけど、そうやって注目されている中でやらないといけない」
そして、乾は自分を諭すようにこう話している。
「だからね、俺は、それ(ゴールを決めない試合)をもっと減らしていかないといけないですし、1試合に1点、2試合に1点とか、そういうペースでとらないと上には行けない。今のままじゃ、まだまだ、甘いのかなと自分では思っています」
「2軍落ち」との日本での誤報は現地紙の誤訳が原因。
さらに先日は、心無い報道による被害も受けた。
乾が連続ゴールを記録しているときには、毎日のように乾をたたえる記事を手を替え品を替えて掲載していたビルト紙が、1-2で敗れたシュツットガルト戦では前半45分のみで交代を命じられた乾をバッシングする記事を掲載したのだ。
プレーの内容についての批判ならば正当なものだったが、取材をせずに根拠もなく、レギュラー降格が確定したかのように伝えた。
さらに、「(シュツットガルト戦翌日の練習で)乾は先発組と軽く走るだけでなく、(試合に先発しなかった)サブ組と練習しなければならなかった」としたビルト紙の記事を日本メディアが誤って訳し「リザーブチーム(2軍)行きを命じられた」と報じてしまった。
もちろん、乾はこうした報道を否定して、サブ組の練習に自ら志願して参加したことをあきらかにしている。