フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
17歳の羽生結弦の偉業をどう考える?
スケートアメリカで日本が表彰台独占。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byREUTERS/AFLO
posted2012/10/24 10:32
スケートアメリカの表彰台にて。左から羽生結弦、小塚崇彦、町田樹。まだ若き3選手に、惜しみない賞賛の拍手が降り注いだ。
12月のソチGPファイナルにたどり着ける選手は……。
3位入賞して初のGPメダルを手にしたのは、町田樹である。
10月初頭にオンドレイネペラトロフィーで優勝し、ここでも表彰台にあがって好調なシーズンスタートとなった。「日本男子のトップ争いに加わるには、まだ実力不足なことはわかっている。でも初のGPメダルはすごく嬉しいです」と笑顔を見せた。
このスケートアメリカで、日本男子は史上初めて、遠征地でのGP大会の表彰台独占をやってのけた。しかも、まだ主力選手は後にも控えている。今週末のスケートカナダでは織田信成、そしてその翌週の中国杯には高橋大輔が出場する予定となっている。
「国際スケート連盟に、世界選手権の出場枠を3枠以上くださいとお願いしたいくらい」と小塚は苦笑するが、現在世界中を見渡しても日本の男子ほど高いレベルが揃っている国は他にない。
このうちいったい何人が、12月のソチGPファイナルに到達できるのか。来季の五輪開催地でテストイベントも兼ねて行われるこの大会を、羽生は「絶対に行かなくてはならない大会」と形容する。その思いはどの選手にとっても同じだろう。
15カ月後のソチ五輪への戦いは、すでに始まっている。