ソフトバンクに移籍して、より強くなった意識とは？

　さらに、ソフトバンクという常勝チームでプレーすることで、彼の意識にも変化が見られるようになった。

　今季、自身は3安打を記録しながらもチームは敗れてしまったゲームで、内川はこんなことを言っていた。

「チームの勝利に貢献できなければ、それまで3本打ったところで意味がないというか。やってきたことがすべて否定された気分になってしまいます」

　もちろん、横浜に在籍していたときも「どんな場面でも『自分の打席は自分の打席』と思って立てば、チームの勝ちにも繋がる」と言っていたように、決して意識がなかったわけではない。ただ、ソフトバンクに来てその気概がより強まったのだ。

　CSは、「負けたら即シーズン終了」の剣ヶ峰。だからこそ、内川の高度な打撃技術と大一番に臨む強い姿勢が、レギュラーシーズン以上に求められるのだ。

　内川の内川らしい打席がひとつでも多くなる。それは必然的に、ソフトバンクが日本シリーズに近づくことにもなる。