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ソフトバンクが薄氷のCS進出決定!
下克上の予感漂う、「足」という武器。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byHideki Sugiyama
posted2012/10/05 12:30
明石健志(写真)の他、パ・リーグ盗塁数ベスト10のうち、5人をソフトバンクの選手が占めている(10月4日現在)。
ソフトバンクの足は、下剋上の大きなポイントに!?
つまり、こういうことだ。
仮に本多が相手バッテリーに徹底的にマークされ盗塁できなかったとしても、明石に長谷川、ゲーム終盤になれば途中出場で起用される福田や城所がどんどん盗塁を試みる。これだけ走る選手が多ければ、バッテリーも走者にだけ気を配っているわけにもいかないのも当然だ。打者への警戒心が薄れ痛打されてしまっては、それこそ本末転倒となる。
「塁に出てチャンスを広げて帰すのが、うちの野球ですから」
シーズン中、松田はチームカラーをこのように表現していた。
走れる選手を重用するという秋山監督の確固たる方針は、チームの弱体化を最小限に抑える強力な根っこになっているのだ。
まだ数試合残されており、現在2ゲーム差で追う西武の結果によっては、ソフトバンクが2位に浮上する可能性もある。
だが、CSが決まった今、もはや順位など関係ない。目前に迫ったプレーオフでは、自分たちの野球を貫き通せたチームが勝つもの。
ソフトバンクの足は、もしかしたら下剋上の大きなポイントになるのかもしれない。