フェアウェイの舞台裏BACK NUMBER
異種格闘技戦の様相を呈すゴルフ界。
桑田、立浪の挑戦で真価が問われる!?
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byAFLO
posted2012/09/02 08:01
昨年5月に開催された富士カントリー可児クラブチャレンジカップ・プロアマ戦に2年続けて参戦した桑田真澄は、「スコアメイクの難しさがよく分かった」と語った。
“名手”デーブ大久保の場合はどうだったか?
プロ野球OBのゴルフ挑戦といえば、過去にはデーブ大久保がいる。QTでセカンドまで進み、先ほど挙げたJGTOの基準を一応は満たした上で、プロゴルファーとしてツアーに推薦を受けて出場したのだった。
それでも結果は、5年間12試合のすべてで100位台で予選落ちというものだった。このときも同伴プロへの影響や競技全体の進行に遅れが出るなどの問題が生じた。そこでツアー側が主催者にお願いをすることで、大久保氏への推薦も徐々に減っていったのだという。時にはパープレーで回ることもあったデーブ大久保ですらそうだったのだ。
今回は果たしてどうなるのだろうか。楽しみというより少し心配である。
終わってみれば2人の参戦が一番の話題でした、とならないために。
「それぞれのトーナメントを主催する目的っていうのがあるんだろうし、選手の立場からは何も言えないですよね。ただ、選手にとって貴重な2枠であることに変わりはない。桑田さんも立浪さんもプロだから分かっているでしょう。
費やしている時間が違いますから、そのへんは勝ち負けを別にして考えてもいいんじゃないですかね。優勝されなければいいでしょう。逆に優勝されたら、それは素晴らしいことだしね」
ベテランの藤田寛之もそう言って、大して気にする様子はなかった。優勝を争うようなトップ選手にとってこれは別世界の話であるのかもしれない。
ただし、終わってみれば、やっぱり2人の参戦が一番の話題でしたというのではあまりに寂しい。そんな印象をもたれない試合にすることができるのか。
スコアでは負けようもないであろうプロたちの戦いのテーマは、むしろそこにある。だからこそ普段とは違う異種格闘技戦なのである。