フェアウェイの舞台裏BACK NUMBER
112年ぶりに正式種目復活のゴルフ。
リオ五輪での試合形式に疑問符が?
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byAP/AFLO
posted2012/08/19 08:01
2度目のメジャー優勝を果たしたローリー・マキロイ(左)、復活を期待させたタイガー・ウッズ、メジャー6戦ぶりとなる石川遼の予選突破など、見どころが多かった全米プロだったが、ロンドン五輪と日程が重なり、ほとんど話題にならなかった。
今季最後のメジャーがひっそりと行われ、ひっそりと幕を閉じた。
いや、試合そのものは盛り上がった。全米プロ選手権の会場となった米サウスカロライナ州のキアワ島ゴルフリゾートには連日、大勢のギャラリーが詰めかけた。タイガー・ウッズが2日目を終えて首位に立ち、最後はローリー・マキロイが2位に8打差の圧勝劇で2つ目のメジャータイトルを手にした。面白くないわけがない。
とはいえ、なにがあろうともロンドン五輪期間中だったのだから仕方がない。大会への注目度が低くなってしまったのは、日本のみならず米国でも同じだったようだ。
スポーツ・イラストレイテッド誌のデビッド・デュセク記者は今大会の米国内の注目度について「とても低いだろうね」と予想していた。
「米国の五輪代表はフェルプスが活躍したり、女子サッカーも金メダルを取った。バスケットボール代表もいいプレーをしていた。今大会はウッズやマキロイが優勝争いをしているからゴルフファンは見ると思う。でも、スポーツファンは見ないだろう。全米プロはただでさえ、他のメジャーよりも注目度が低い大会だ。視聴率もかなり落ち込むんじゃないかな」
4年後のリオ五輪ではタイガー・ウッズが米国の旗手に!?
では、4年後の夏はどうだろうか。
2016年のリオ五輪でゴルフは112年ぶりに五輪競技に復活する。スポーツの祭典の熱狂の中で、今年とは違う世界中からの注目を浴びているはずである。ウッズも全米プロ開幕前の記者会見で「その時は40歳になっているけど、国を代表してブラジルに行けるならすごく楽しみだ」とやる気を見せていた。
ゴルフチャンネル・ラテンアメリカのコロンビア人リポーター、サンチャゴ・ウリベ氏も、南米初の五輪でゴルフが採用されるのを楽しみにしている一人だ。
「開会式でウッズが旗手として入場してくるなんて考えただけでも素晴らしいじゃないか。フェルプスって言われてもピンとこなくたって、タイガー・ウッズなら世界中の人がわかるだろ」