ロンドン五輪EXPRESSBACK NUMBER
ブラジルに完敗し、宿命の韓国戦へ。
28年ぶりのメダル狙う眞鍋ジャパン。
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byGetty Images
posted2012/08/11 13:05
眞鍋監督はブラジル戦の敗因として「サーブがあれだけ返されたら試合にならない」と説明。韓国戦に向けては「みんな身長も高いですし、キム・ヨンギョンもかなり1人で点数を取れますから」と敵エースへの警戒を語った。
ようやくたどり着いた五輪の準決勝。しかし、決勝への壁はまだ厚かった。準々決勝で接戦の末に中国を破った日本の勢いを、ブラジルの高い壁がのみこんだ。
試合の出だしはよかった。新鍋理沙のライト攻撃や、大友愛の移動攻撃でサイドアウトを取る。ブロックのワンタッチとディグ(スパイクレシーブ)で相手の攻撃を拾い、持ち前の粘り強さも発揮した。しかし、そこからの切り返しが、ともに身長194cmのミドルブロッカー、ファビアナ・クラウジノとタイーザ・メネセスらのブロックに阻まれて得点につながらず、勢いに乗ることができない。相手の高いブロックを意識してか、徐々に日本のスパイクから思い切りのよさが失われ、スパイクミスも出始めた。
日本はまずサーブで相手を崩して攻撃を絞り込むことが必須条件だったが、サーブでも思うように攻めきれず、楽に攻撃を決められ、第1セットを失った。
「自分たちのサーブが全部返されて、1本で切られてしまったことが一番の反省点」と木村沙織は振り返る。
木村、江畑の両エース、井上らの次善策も、ブラジルには通じず。
第2セットも2-5とリードを許すと、指揮官は江畑幸子に代えて迫田さおりを投入。迫田ならではのライトからのバックアタックを絡めるなど、一時は追い上げるが、中盤、再びブラジルのブロックが覆いかぶさるように日本の攻撃に襲いかかり、日本にスパイクミスも出て、引き離される。
第3セットも、序盤に木村、江畑の両エースがブロックにつかまる苦しい展開。大友が移動攻撃を決めたり、井上香織と山口舞を投入して、2人の複雑なコンビネーションで活路を見出そうとするが、ブラジルは隙を見せない。
逆に日本はサーブレシーブを崩されて終盤引き離され、ストレートで敗れた。結局3セットで14本ものブロックポイントを奪われた。