SCORE CARDBACK NUMBER
世界の“総スペイン化”が
退屈の後にもたらす未来。
~旧態依然のカウンターは下火!?~
text by
浅田真樹Masaki Asada
photograph byTakuya Sugiyama
posted2012/07/25 06:00
EURO決勝、スペインはイタリアに4-0で圧勝。世界にその強さをあらためて示した。
4年前、スペイン対ドイツのEURO決勝が「テクニック対フィジカル」と評されていたことが、もはや遠い昔の話のようだ。「ドイツ=フィジカル」でないのは、今さら言うまでもないが、今回のEUROでは、イタリアやイングランドなどにも志向の変化はうかがえた。全体的な傾向を大雑把に括れば、ショートパス重視で攻撃を進める、スペイン的なサッカーへと向かっていたのである。
これはヨーロッパだけの話ではない。先月行なわれたワールドカップ・アジア最終予選でも、そうだった。かつては徹底的に守備を固め、一発のカウンターに狙いを絞っていた中東勢が、ショートパスをつないで攻めようとしていたのだ。