W杯紀行 思えば南アへ来たもんだBACK NUMBER
南アW杯の現地から緊急レポート!!
スタジアムは? チケットは? 危険は?
text by
竹田聡一郎Soichiro Takeda
photograph bySoichiro Takeda
posted2010/05/20 12:10
スタジアムそのものは工事がほぼ終わっているが、その周囲は……本当に間に合うのだろうか?
チケットが売れず問題に。日本戦は全戦余ってます!
もちろんキャッシュで即購入が可能だ。店の奥には5つほど個別のブースがあるにはあるのだが、その窓口にエージェントがいたのは2つのみ。
「チケットまだ買える?」
「当然! たくさんあるよ!」
とのことで、パネルを確認すると開幕戦、準決勝、決勝こそさすがに売り切れているが、グループリーグ48試合中24試合(日本戦は全試合)がまだ購入できることが分かった。決勝トーナメントの多くの試合や3位決定戦なども含め、30万席を超えるシートが売れ残っているそうだ。
これには地元と国外のファンにとって、それぞれ別の理由がある。
もっとも安価であるカテゴリー4のチケットは南アフリカ在住者のみが購入できる。そのチケット代140ランド(グループリーグ戦/約1800円)ですら、彼らにとっては「観たいから無理して買ったけどやっぱり高い」というのが本音なのだ。ドイツ大会のカテゴリー4は35ユーロ(約4700円)だったから、それに比べるとまだ彼らでもギリギリ買える値段ではあるのだが。カテゴリー3の560ランド(同/約6900円)の値段について、サッカー好きの現地の若者に尋ねてみると「そんなの買えるわけないだろ!」と一笑されてしまった。ということで、南ア国内ではカテゴリー4のみ全試合が完売している。
一方、国外からのファンはチケットは購入できても「治安が悪いから」と現地観戦を断念しているケースが圧倒的に多い。FIFAが予想した動員を遥かに下回ることは間違いないようで、大会のために団体で押さえられていたホテル200万室(眉唾ではあるが)がキャンセルされたという報道も流れていた。
ケープタウンはそんなに治安も悪くないみたい。
では渡航を断念せざるを得ないほど治安が悪いかといえば……ケープタウンに関してはノーだ。まったく問題ないと言い切って良いかもしれない。
もちろん、高価なデジタルカメラなどを首からぶらさげずに手ぶらでという前提だが。
公共のバスは清潔で運転席が防弾ブースとなっている以外、先進国となんら変わらない。ちゃんとブザーがあって、それを押すとしっかり停まってくれる。車内では学校帰りのチビっこが、なんだかカッコいい歌をみんなで唄っていてむしろ日本のバスより楽しかったくらいだ。乗車時に多少、珍しいモノを発見したかのようにチラ見されるくらいである。
流しのタクシーを拾っても皆、「ケープタウンは初めてか? 好きか?」と地元愛に溢れた質問を投げかけてくる。「美しい街だ」と素直に応じると、遠くの国から来た外国人に好奇心丸出しのまま、白い歯を見せてケタケタと笑う。「テーブルマウンテンに行きたい時はオレを呼べよ。タクシー代、安くしてやるから!」