スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
サーモンとトラウト。
~MLBで跳躍する20歳の新星~
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2012/07/04 10:30
首位レンジャーズを追撃するエンジェルスの核弾頭マイク・トラウト。ダルビッシュとの対決も楽しみだ。
オールスターでハーパーと並び立つ姿が楽しみ!
6月27日の対オリオールズ戦でも、6打数4安打(2三振)のうち、3本までがライト前ヒットだった(1本は投前内野安打)。とくに4打席目は鮮やかだった。脇を絞って内角球をおっつけ、一塁線をきれいに破ったのだ。
こういう打撃をつづけるかぎり、トラウトの打率は下がらないだろう。
淡泊な、というより、いささか雑な空振りを見せることがあるのは若さのせいだろうが、これは克服可能な欠点だ。口を開けている時間が長いのも気になるが、もし鼻が悪いのならすぐに治療を受けたほうがいい。
そうだ、もうひとつ特記しておきたいことがある。対オリオールズ戦の1回裏、J・J・ハーディが右中間に打ち上げた大飛球を、塀際でジャンプして捕ったプレーの素晴らしさだ。ジャンプというより、あれは跳躍だった。エアー・ジョーダンならぬエアー・トラウト。あれだけ到達点が高く、あれだけ空中での静止時間が長いと、さすがに惚れ惚れする。
こうなると、監督推薦で出場するはずのオールスターが楽しみだ。同じフィールドに立つだろうハーパーと競い合い、思う存分、その身体能力を発揮してもらいたい。