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サーモンとトラウト。
~MLBで跳躍する20歳の新星~ 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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photograph byGetty Images

posted2012/07/04 10:30

サーモンとトラウト。~MLBで跳躍する20歳の新星~<Number Web> photograph by Getty Images

首位レンジャーズを追撃するエンジェルスの核弾頭マイク・トラウト。ダルビッシュとの対決も楽しみだ。

スカウトは16歳から目をつけ、18歳で約120万ドルで契約。

 トラウトは、2009年のドラフトでエンジェルスの1巡目指名を受けた(全体では25番目)。

 父のジェフも野球選手だった。1982年にツインズに指名されたが膝を痛め、'86年、メジャーに上がることなく球界を去っている。あと1年残っていれば、ツインズの歴史的なワールドシリーズ制覇に立ち会うことができたわけだが。

 マイクを発見したのは、マイナーリーグでジェフの同僚だったグレッグ・モーハートというスカウトだ。 

 モーハートは、マイクの早熟ぶりと足の速さに眼をみはった。16歳から注目しつづけ、18歳でエンジェルスとの契約に漕ぎつけた。契約金は120万ドル強。

 トラウトは、ルーキーリーグでいきなり暴れた。

 '10年にはシングルAで活躍し、'11年7月8日には、19歳で早くもメジャーの舞台に立っている。10代の大リーガー・デビューは通算で23人目。最近では、'07年のジャスティン・アプトン以来だ。

 このときのトラウトは打てなかった。40試合で2割2分。さすがに、120万ドルの家賃は少し高かったか。本人も反省した。「ランナーなしの状況でも満塁本塁打を狙うような打ち方をしていた」と告白している。

エンジェルスのシーズン序盤の不振を救ったのはトラウトである。

 が、今季4月の昇格後は様子が異なる。

 6月27日現在、53試合に出場して、打率=3割4分4厘、出塁率=4割2厘、長打率=5割3分2厘。本塁打は7本で、打点は30。そして先にも述べたとおり、盗塁が21個。

 現在のトラウトは、1番センターを任されている。ボビー・アブレイユが解雇され、ヴァーノン・ウェルズが故障で戦線離脱したのも追い風になった。というより、エンジェルス序盤の不調を救ったのはトラウトである。4月27日までは6勝14敗と低迷していたのに、彼が加わってからは36勝19敗と、めざましい快進撃を見せているのだ。

 トラウトの強みは、力任せではない打撃ができることだ。

【次ページ】 オールスターでハーパーと並び立つ姿が楽しみ!

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