NumberEYESBACK NUMBER

頂点極めたシャラポワ、
「氷上の牛」からの脱却。
~ウィンブルドンで再びの栄冠へ~ 

text by

秋山英宏

秋山英宏Hidehiro Akiyama

PROFILE

photograph byHiromasa Mano

posted2012/06/25 06:00

頂点極めたシャラポワ、「氷上の牛」からの脱却。~ウィンブルドンで再びの栄冠へ~<Number Web> photograph by Hiromasa Mano

3度目のマッチポイントが決まり、膝から崩れ落ちたシャラポワ。

「テニス人生のこの時点で、初めて決勝の舞台に立てるというのは素晴らしいことね」

 全仏オープンで初の決勝進出を果たし、翌週発表されるランキングでの4年ぶりの1位奪還を確定させたシャラポワは、笑顔で話した。

「この時点」という言葉に、彼女の思いが込められている。

 '04年ウィンブルドンでの四大大会初制覇から8年。その間、右肩の故障で'08年8月から実質1年近くツアーを離れ、ランキングは一時、126位まで落ちている。肩痛の影響からかサーブの不調が続き、心理的重圧で腕が振れなくなるイップスにも悩んだ。彼女はパワーテニスの代表格だったが、女子テニスの趨勢はパワーからフィジカルに移行し、強打だけでなく、守備もこなせるフィジカル、すなわち体幹や足腰の強さが求められるようになった。攻めているうちはいいが、守勢に回ると長い足を持て余し、フットワークがもたつくのが彼女の弱み。守れないシャラポワは、過去の選手とも見られるようになっていた。

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。

残り: 924文字

NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。

#マリア・シャラポワ

テニスの前後の記事

ページトップ