プロ野球亭日乗BACK NUMBER
華々しい本塁打の影に貧打の苦しみ。
松井秀喜は“忍”の一字で機運を待つ。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byGetty Images
posted2012/06/10 08:01
レイズのマドン監督も「(松井秀喜の)状態はいい。ただ本当に運がないだけだね」とコメントし、松井の攻守にわたるプレーも褒めているのだが……。
DH制の試合が減る交流戦で、いかにアピールできるか?
故障者が続出したレイズは、これから徐々に主力選手が戦線に復帰してくる。しかもメジャーは8日から一斉にインターリーグに突入。ナ・リーグの試合では指名打者制度がなくなるために、松井にとっては狙えるポジションが1つ減ることにもなる。
そういう意味では、松井にとってレイズでの生き残りをかけたサバイバル戦は、決して楽観視できるものではない。
「ヒデキは打席の内容は悪くないし、左投手を苦にしないのも分かっている。守備に関しても問題なくこなしている」
選手の能力、状態を見抜く目利きと言われるジョー・マドン監督の松井評だ。結果だけではなく、実績と内容をしっかりと見定めている。
そんな監督の下でプレーできる。それがなかなか結果の出ない松井にとっては、一番の救いでもある。