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【ユーロ2012 グループD展望】
イブラ擁するスウェーデンを侮るな!
本命の仏英を破り、目指すは「4強」。
text by
細江克弥Katsuya Hosoe
photograph byGetty Images
posted2012/06/03 08:00
2月にはユーロ2012に出場するクロアチアと親善試合を行ったスウェーデン。この試合、イブラヒモビッチが大活躍し、3-1と圧倒的な勝利を収めている。
開催国ウクライナはシェフチェンコの花道を飾れるか?
開催国のウクライナにとっても、今大会は一つの幕切れを迎える重要な一戦だ。ウクライナサッカー界の新たな時代を切り開いてきたシェフチェンコが、今大会限りでユニフォームを脱ぐ。
母国開催のビッグイベントに向けて不安を募らせていたチームを救ったのは、'06年W杯でベスト8に導いた英雄ブロヒンだった。約4年ぶりに代表チームのジャージを身に纏った指揮官は、シェフチェンコを中心とするベテラン勢を優遇することなく、若手を積極的に起用。「名前でポジションを決めるわけではない」と平等主義を明確に打ち出し、チームを活性化した。
とはいえ、シェフチェンコやティモシュク、ロタンやグセフといった“2006年組”がチームの中核を担うことは間違いない。そこに中堅のミレフスキーや若手のヤルモレンコが絡む得意のカウンターが、チームにとっての生命線だ。
粘り強く守って、カウンターで仕留める。6年前にドイツの地で見せたパフォーマンスを再現することができれば、開催国としての“義務”であるグループステージ突破も現実味を帯びる。
格上のフランスとイングランドを避け、初戦をスウェーデンと戦えることはポジティブな要素と言えるだろう。東欧の小国が生んだ偉大なるストライカーは、果たしてどんなラストでキャリアの幕引きを飾るのか。まずは初戦に注目したい。