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【ユーロ2012 グループD展望】
イブラ擁するスウェーデンを侮るな!
本命の仏英を破り、目指すは「4強」。 

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細江克弥

細江克弥Katsuya Hosoe

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photograph byGetty Images

posted2012/06/03 08:00

【ユーロ2012 グループD展望】イブラ擁するスウェーデンを侮るな!本命の仏英を破り、目指すは「4強」。<Number Web> photograph by Getty Images

2月にはユーロ2012に出場するクロアチアと親善試合を行ったスウェーデン。この試合、イブラヒモビッチが大活躍し、3-1と圧倒的な勝利を収めている。

カペッロが残した様々な戦術がイングランドを支える。

 また、伝統的に4-4-2一辺倒のスタイルが定着していたイングランドにとっては、カペッロが試してきた様々な戦術がポジティブな“遺産”となっているようだ。現在のチームは、1トップにも2トップにも対応可能。タイプの異なるタレントも揃っており、南アフリカW杯時に持ち合わせていなかった戦術的柔軟性が出てきているといえる。

 テリーに代わってキャプテンに就任したのは、誰もが納得の人選と言えるジェラードだった。5月26日の初陣ではノルウェーに1-0と完封勝利を収め、その船出を白星で飾った。故障の影響でウィルシャー、スモーリング、ウォーカーら有能な若手を招集できなかったことは残念だが、FWウェルベック、MFヤング、DFジョーンズなど有能な若手は多い。まずは最初の2試合で着実に勝ち点を積み上げ、戻って来るエースに“舞台”を用意しなければならない。

「4強進出」が目標のスウェーデンを侮るべからず。

 イブラヒモビッチを擁するスウェーデンは、優勝候補でもあるフランスとイングランドに挑む急先鋒となる。

 イブラヒモビッチは南アフリカW杯予選終了後に代表引退を表明したが、'09年から指揮を執るハムレン監督の説得によって翻意。絶対的なエースが戻ったチームは10試合で31得点を記録する抜群の攻撃力を発揮し、今大会予選では2位チーム中最上位の成績で本大会出場権を手にした。

 チームにはイブラヒモビッチを筆頭にDFメルベリ、MFスベンソン、シェルストレーム、ビルヘルムソン、GKイサクションと経験豊富なベテランが多く、今大会は一つの世代が国際舞台から身を引く転換期となるだろう。それだけにフェイエノールトで活躍した期待の新鋭グイデッティの故障離脱が残念だが、ハムレン監督はチームの完成度に確かな手応えをつかんでおり、「4強進出」を目標に掲げている。

 20年前のユーロ1992で、ブロリン、ダーリンといった名手を擁するスウェーデンは、「4強進出」を成し遂げる快進撃でサッカー界を席巻した。指揮官の野望は、まさにあの記憶を再現することに他ならない。

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