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【ユーロ2012 グループD展望】
イブラ擁するスウェーデンを侮るな!
本命の仏英を破り、目指すは「4強」。 

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細江克弥

細江克弥Katsuya Hosoe

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photograph byGetty Images

posted2012/06/03 08:00

【ユーロ2012 グループD展望】イブラ擁するスウェーデンを侮るな!本命の仏英を破り、目指すは「4強」。<Number Web> photograph by Getty Images

2月にはユーロ2012に出場するクロアチアと親善試合を行ったスウェーデン。この試合、イブラヒモビッチが大活躍し、3-1と圧倒的な勝利を収めている。

 絶対的なエースのルーニーが、フランス戦とスウェーデン戦のピッチに立てない今、1位通過の筆頭候補は、過去2年間で着実な成長を遂げてきたフランスである。

 南アフリカW杯で内部崩壊を起こしたフランスは、抜本的な改革を先導する指揮官の手腕によって再生を遂げつつある。ブラン監督が描く青写真は明確だ。1994年W杯でのまさかの予選敗退から、ユーロ1996で4強進出を果たし、さらに'98年W杯とユーロ2000を制するまでの“レ・ブルー”栄光の軌跡――。かつて同じユニフォームを着てサクセス・ストーリーを経験した通称「プレジデント」は、今度は指揮官として同じ軌跡を描こうとしているのだ。

 黒星スタートとなった予選では、それから6勝3分けと持ち直し、親善試合ではイングランド、ブラジル、ドイツと次々に強豪を撃破。ブランは中盤の底に21歳の超新星エムビラを据えるなど、国内で結果を残した若手にチャンスを与え、新しいチームを徐々に構築してきた。今やチームの命運を左右する存在とされるエムビラを筆頭に、DFラミやMFカバイエの台頭が“ブラン流”の象徴である。

 キャプテンを務めるGKロリスにとっても、今大会の位置付けは明確だ。

「確かな手応えをつかんできた2年間の集大成だ」

“ぶっつけ本番”のイングランドだが見通しは楽観的!?

 対照的に不要な再構築を強いられたのが、ホジソン新体制で“ぶっつけ本番”を迎えるイングランドだ。テリーの人種差別発言に端を発するカペッロの辞任も、大方の予想を覆すホジソンの就任も、ポジティブな要素ではあり得ない。

 だが、イングランド代表の選手たちは、新体制に急変したこの苦境をも楽観視している節がある。「選手なら誰だって“監督不在”を経験する可能性がある」「監督不在によって、結束力が高まることも」というようなコメントが代表選手からあがっているほどだ。

【次ページ】 カペッロが残した様々な戦術がイングランドを支える。

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