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四球の多さが気になるダルビッシュ。
原因はふたりの捕手のリードにあり?
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byGetty Images
posted2012/05/27 08:02
5月11日のエンゼルス戦でリーグトップの5勝目を挙げた時のダルビッシュとナポリ(左)。ダルビッシュ本人は、ナポリ、トレアルバの両捕手とは公私ともに仲が良い。運転免許の無いダルビッシュのために運転を買って出ているナポリとは、ツイッターでも英語でジョークを飛ばし合うほどの仲だ。
ナポリとトレアルバの違いを楽しんで観戦するも一興。
トレアルバのリードを見ると、ある日はストレートを多めに要求してみたり、ある日はスライダー、また別の日にはスプリットを多くしてみたりと、たしかにその日の調子を見極めながら配球を考えている様子がうかがえる。対戦相手からすると、ダルビッシュを対策が絞りづらい投手へと変身させているリード、ということになる。
まだ5月も終えていない段階の数字なので、傾向とまではいえないかもしれないが、配球を見る限り、トレアルバの方が柔軟な対応はしているのではないか。
ただ、ダルビッシュのストレートの制球が定まってくればナポリとの試合でも小気味のいい投球が見られるだろう。
オールスターまでは、ナポリとトレアルバによるダルビッシュの違いを見ていくのも、野球を「考えるヒント」になると思う。