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Jリーグから世界へ羽ばたくチームへ!
ヴィッセル神戸・西野朗新監督の野望。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byKyodo News
posted2012/05/21 11:35
ヴィッセル神戸のオーナー三木谷浩史氏は、西野朗新監督を迎えるにあたって「ACLに出場して優勝するということを目指しています」と改めて強調。西野監督はヴィッセルの弱点として「アタッキングサードのクオリティや、自陣のディフェンスゾーンでのウィークポイントがあるようだ」とコメントした。
「チームを一変させる魔法を持っているわけではない」
もっとも、目の前にひろがるのは平坦な道のりではない。むしろ、険しい。
シーズン途中の慌ただしい就任である。22日の初練習からわずか4日後の26日には、鹿島アントラーズとのリーグ戦が待ち受ける。
「理想のスタイルや理想のサッカーを求めることと、現実をしっかり見ていくなかでチームを作っていくことが必要だと思っている。チームを、選手を、一変させる魔法を持っているわけではないし、サッカー自体もそう簡単に変化させられないと思う」
ただ、と西野は続ける。J1で最多勝利をあげている男の野心がのぞいた。
「守るだけのサッカーは、自分の本意ではない。やはり攻撃的なスタイルは、自分の志向のなかにある」
'98年の柏から15年連続となるシーズンは、およそ3カ月遅れで幕を開けた。「難しさは当然あると思う」と話すが、表情は精気に満ちている。
経験と、実績と、理論と、情熱を携えて。港町・神戸からの新たな船出は、西野にとって胸躍る冒険である。