濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
E・アルバレスと青木真也が再戦!?
日本人格闘家達は海外が主戦場に。
text by

橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph bySusumu Nagao
posted2012/03/13 10:30

2008年12月31日に行なわれた『Dynamite!!』、青木真也(写真左)対エディ・アルバレスの一戦。試合はわずか1分32秒でヒールホールドにより青木が勝利。だがその後、アルバレスは主戦場をベラトールに移し、ライト級王者に輝くなど、ファイターとして力を増している。
ファンが共有すべきは国内ではなく、世界での成績。
こうした状況の中で、一昨年4月に青木が『ストライクフォース』でギルバート・メレンデスが持つライト級王座に挑戦。青木が敗れると、昨年4月には川尻がメレンデスに挑んでいる(KO負け)。青木、川尻の挑戦や日本人UFCファイターの闘いという流れがあった上で、今年“大航海時代”が訪れようとしているのだ。
トップ選手の海外挑戦を「日本で試合が見られなくて寂しい」と感じるファンは、もはや少ないのではないか。UFC日本大会で“世界最高峰”に触れたこともあり、ファンの視野も世界規模に広がっているはずだ。“世界で勝つこと”の意味が共有されているのである。
世界最大の格闘技イベント・UFCが日本に上陸し、一方で日本人ファイターが海外に出陣する。そのどちらも、ファンは楽しむことができる。MMAの世界において、国境という垣根はどんどん取り払われていく。闘う国がどこであれ、ファンが求めているのは強くて魅力的な選手だ。“世界地図”を無視して、現在の格闘技は語れない。
