マン・マネージメントの落ち度が“内紛”の原因か？

　事実、コールとランパードがスタメン落ちに対して抗議をしたという状況からは、ビラスボアスのマン・マネージメント面の落ち度が覗える。

　今回は、異論を唱えた両者に、それぞれ、「コンディション面」と「戦術面」による判断であることを告げたというが、昨秋からベンチが増えているランパードは、「理由は聞かされていない」とチームの内外に公言し続けていた。

　一方的な通達を繰り返してプライドの高い主力ベテラン勢の不満を溜め続けていなければ、プロ意識も高いはずの両者が大事なCL戦の直前に内紛ともとられかねないコメントを出すとこもなかったのではないだろうか？

迫り来るCL敗退の危機を脱するには得点力が不可欠。

　キャプテンであり、ビラスボアスとの信頼関係も強いはずのテリーは、膝の手術で数週間は欠場が続く。

　ナポリ戦でキャプテンを務めたディディエ・ドログバは、「バレンシア戦（3－0）がそうだったように、俺たちは逆境に強い」と言っているが、今回は、昨年12月のグループステージ最終節を超えるCL敗退の危機だ。

　0対0でも良かった前回とは違い、3月14日の第2レグは最低でも2得点が必要。ボランチにはオリオル・ロメウが怪我から復帰するにしても、ナポリの零封は極めて難しいと思われ、3点以上を奪う覚悟が求められる。

　幸い、得点は望める。ペナルティエリア付近でボールを持たせてくれるナポリからは、詰めを焦らなければゴールを奪えるはずだ。初戦も、ルイスのヘディングが枠内に飛んでいれば、2対0となって違った展開を見せていた可能性がある。

　正念場のホームゲームでは観衆の後押しも期待できる。チェルシー・サポーターは、勇気を持ってチームにメスを入れた指揮官に寛容だ。ナポリ戦でも最後まで歌い続け、その3日前に、バーミンガム（2部）と引分けたFAカップ戦でさえ、不満の声は軽度のブーイングに止まった。

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