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復活を期す新垣渚が
杉内から託された“思い”。
~“43勝投手”が抜けた後で~
text by
永谷脩Osamu Nagatani
photograph byKYODO
posted2012/02/14 06:00
昨年11月のアジアシリーズに登板、一軍公式戦では1145日振りとなる勝ち星を挙げた
8年振りに日本一になった途端、和田毅、杉内俊哉、ホールトンら昨季43勝を挙げた投手たちがゴソッと抜けたソフトバンク。新シーズンに向けて準備を進める秋山幸二監督に「43勝分を補強するのは大変ですね」と尋ねると、平然とこう答えた。
「いる人間でやるしかないじゃない。山田(大樹)や攝津(正)、岩嵜(翔)もやってくれると思う。ただ、いざという時の経験がね」
'03年に日本一を経験した“四天王”和田、杉内、斉藤和巳、新垣渚のうち、現在、支配下登録されているのは新垣だけだ。
新垣は沖縄水産、九州共立大を経て、'03年ホークスに入団。1年目に8勝を挙げると、'09年までの7年間で53の勝ち星を重ね、一時は和田、杉内よりも重用されていた。当時のスライダーのキレは半端ではなく、あまりに鋭い曲がりのためキャッチャーが捕れず“暴投”が記録されることも多かった。だがその後、右肩痛に見舞われ、ここ2年間、一軍登板はなし。右肩への負担を少なくするために昨年、投球フォームの改造にも取り組んだが結果は出せなかった。