スペインサッカー、美学と不条理BACK NUMBER
クラブW杯制覇の大きすぎた代償。
EURO出場も危ぶまれるビジャの現在。
text by
工藤拓Taku Kudo
photograph byMiki Sano
posted2011/12/28 10:30
「頑張れ!グアヘ(ビジャの愛称)」と書かれたTシャツでCWC決勝のピッチに入場したバルサイレブン
復帰時期はぎりぎり。ビジャはEUROに間に合うのか?
サントス戦の翌19日に無事手術は成功。手術を担当したクガット医師は復帰までの期間を4~5カ月とし、「諦める必要はないが、今季中にプレーできるかどうかはぎりぎりのところだ」と見通しを語った。
EURO出場メンバー23人の登録締め切りは5月15日。たとえ復帰が間に合ったとしても、トップコンディションで大会に挑める保障はない。昨年のワールドカップで全く活躍できなかったトーレスと同じ落胆が待っているかもしれない。
だが、ビジャは希望を捨てていない。負傷直後には「5月19日のミュンヘンでのCL決勝(チームメートが連れて行ってくれるはず)、そしてユーロに向け、なるべく早く復帰したい」と言っていた。そんな彼について、クガット医師は「手術直後にこれほど活力ある患者を見たのは久しぶりだ」と驚いたという。
EURO2008、ワールドカップ南アフリカ大会の両大会で得点王に輝いた点取り屋は果たして間に合うのか。先日30歳を迎えたビジャの、キャリア最大の戦いがこれからはじまろうとしている。