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摩訶不思議なドラフト戦略に、
ベイスターズの明るい未来を見た! 

text by

村瀬秀信

村瀬秀信Hidenobu Murase

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photograph byHidenobu Murase

posted2011/11/07 12:20

摩訶不思議なドラフト戦略に、ベイスターズの明るい未来を見た!<Number Web> photograph by Hidenobu Murase

横浜ベイスターズからのドラフト指名の報を受け、渡辺晃監督とガッチリ握手する古村徹選手。「指名がくるとは思いませんでした。ドラフトって8巡目まであるんだって感じ」と素直な感想を述べた古村

「キツイ野次を飛ばす人たちがいて、ちょっと不安」

――来年も本拠地になりそうな横浜スタジアムの印象は?

「この前、中村紀洋さんがセカンドを守っている試合を観戦しに行ったのですが、結構キツイ野次を飛ばしている人たちがいたので、正直ちょっと不安になりました。勝ってファンの人たちを沸かせていけるようになりたいですね」

――そりゃ観た試合が悪い……。指名された9人中8人が同級生ですが、意識はしますか?

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「正直なところ、今の段階でみんなを見てしまうと自分は(強豪校ではない)普通の公立出身ですし、体力面とか劣るところはあると思うんです。なので意識はしないで、まずは自分のすべきこと、とにかく練習をやることだと思っています。焦らないで期待に応えられるように頑張りたいです」

――プロでの目標は?

「長くチームに必要とされるピッチャーになりたいです。それと野球をできる環境を作ってくれたのは親なので、日産に勤めるお父さんにちなんで背番号はいつか23番をつけられるようになれれば。あと、お母さんが山口百恵のファンなので、登場曲に山口百恵を使えたらいいですね」

――とても親孝行で感心しますが、老婆心ながら山口百恵なら「横須賀ストーリー」にはしない方がいいかと思います。ちなみに眉毛、超細いですね。

「よく言われるんですけど、中2からいじっちゃっているので、戻し方がわからなくなっちゃいまして……どうすればいいんでしょうね。とりあえずは、いつか口を出されないような一流の選手になるまで放っておこうかと思っています」

新生ベイスターズのドラフト戦略は決して間違いではない!!

 以上である。

 18歳でドラフト指名を受けた選手の、飾りや計算のない本音の言葉はかくも美しいものか。

 古村だけではない。指名された9人それぞれの野球に対する純粋な思いと、喜びに溢れた発言に触れるたびに、新しく生まれ変わろうとするベイスターズのドラフト戦略は決して間違いではなかったように思えてくる。ただ、問題はこの先入団して彼らがどう変化していくかである。

 2011年秋。改革の年に指名された彼ら9人がどのように成長していくか。ある意味でその成長具合というものが、DeNA体制が成功したかどうかの目安になるといえなくもない。

 そんなこんなも含めて、彼ら9人の将来が楽しみでならないのだ。何度も言うが、公私混同とかではない。ただ、無茶苦茶嬉しくて誇らしい感情を否めないのが何とも難しいところなのだが。

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