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移籍か、残留かで揺れた
福留、上原、黒田の決断。
~シーズン中トレードを巡って~
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byGetty Images
posted2011/08/18 06:00
中日、カブス時代と同様、背番号1を用意された福留。早くも6番右翼に定着しつつある
少しだけ着心地の違うインディアンスのユニフォームに袖を通した福留孝介は、いつものように淡々とした口調ながら、明瞭な言葉でこう言った。
「いい場所を与えてもらっていますし、僕自身、やりがいはあります」。7月31日のトレード期限を前に、福留は拒否権を持つ15球団の中に入っていたインディアンスからの獲得オファーを受け入れ、古巣カブスを離れる意思を固めた。
大リーグの7月は、実に慌ただしい。プレーオフを目指す上位球団と、来季の再建へ向かうチームのいずれもが、ターニングポイントとしての決断を迫られる。「買い手」となるか、「売り手」となるか。開幕以来、優勝争いから脱落したカブスで契約最終年を迎えた福留にとって、緊張感が薄れ始めたチーム状況でこれ以上プレーを続けることは、野球選手としてプラス材料を探すのも困難だった。