詳説日本野球研究BACK NUMBER
ドラフト導入が1年早かったら……。
~1965年プロ野球入団組の光と影~
text by
小関順二Junji Koseki
photograph bySPORTS NIPPON
posted2009/09/30 11:30
1965年、西鉄に入団した池永正明は1年目から20勝を挙げて新人王に輝き、稲尾和久の後継者と期待されていた。'70年5月に永久追放されるまでの通算成績は103勝65敗
超高校級の評価を受けていた池永。
1位指名が間違いないのが投手では池永正明、尾崎正司(のちに将司)、高橋一三、成田文男、渡辺泰輔、宮本洋二郎、江尻亮(のちに打者)の7人と、野手では山崎裕之の計8人。入札制で行われていれば池永に6球団以上、高橋、渡辺に複数球団の1位重複指名があっただろう。
残りの4人は難しく、プロの実績なら衣笠祥雄、大杉勝男、外木場義郎が圧倒的だが、アマチュア時代に騒がれる存在だったと聞いたことがない。それなら末次利光、井石礼司のほうが大学球界で有名だったので、'64年オフの評価なら上に行っている可能性が高い。この10人に投手の外木場がぎりぎり入り、残りの1枠をめぐって衣笠と大杉が争っていただろう、というのが本稿の結論である。