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チームパシュートに高まる期待。
小平・高木が跳ね返した五輪の重圧。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byNaoya Sanuki/JMPA
posted2010/02/22 17:50
オリンピックで戦うことはやはり簡単なことではない。それは初めての出場でも、オリンピックをすでに経験している選手であっても変わらない。
大会半ばが過ぎたが、あらためて、そう実感する。
今大会、例えばモーグルの19歳コンビ、村田愛里咲が8位、遠藤尚も7位と、ともに入賞を果たした。見ていて思ったのは、誤解を恐れずに言えば、周囲から大きな期待をかけられていなかった、メダルを期待されたりすることがなかったことが、一つ、大きな原因だったように思う。だからこそ、伸び伸びと力を出し切れたのだ。予選と決勝の合い間に、日本から駆けつけた応援団に声をかけられて、にこにこと手を振る村田の姿を見て、なおさらそう感じた。
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同じモーグルで言えば、初めて出場したトリノは「楽しかった」という伊藤みきだったが、結果を残すことを目指した今大会ではトリノとは異なる緊張の中で滑ることになった。経験すればするほど、結果への意識も高まり、難しくなるのだ。
初陣の重圧から解放され、本来の実力を発揮した小平。
別の見方をすれば、大きな期待や注目の中では、初めての出場でも、プレッシャーに苛まれることになる。
21日に行なわれたスピードスケート女子1500mで、小平奈緒が5位入賞を果たした。小平は、オリンピック初出場であるが、今シーズンのワールドカップでも表彰台に立ち、期待を集めていた選手である。
だからか、最初の出場となった16日の500mこそ、初めてのオリンピックに硬くなって12位に終わったが、続く18日の1000mでは、5位。それに続く入賞は、好調を維持した形だ。
1000mのあと、小平はこう語った。
「500mが終わった夜は悔しくて寝付けませんでしたが、2位に入ったベルリン大会(2009年ワールドカップ第1戦)の映像を何度も見たりして、気持ちを切り替えて1000mに臨みました。今日は楽しかったです」
1500mも、「前半は抑えていき後半にあげていく」というレース前に予定していたペース配分を守っての入賞である。冷静さが光った滑りだった。大会期間中でうまく切り替えることができたのだ。