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ゴールデングラブ賞に異議アリ。
鳥谷敬の守備力に正当な評価を!
text by
田端到Itaru Tabata
photograph byHideki Sugiyama
posted2009/11/26 10:30
2009年の遊撃手RFランキングで、劇的な変化が!
その'09年の結果がこれだ(規定試合数の出場選手のみ)。
●2009年
選手名 | RF | 失策数 | |
---|---|---|---|
1位 | 坂本(巨人) | 4.830 | 19 |
2位 | 井端(中日) | 4.826 | 8 |
3位 | 川島(ヤクルト) | 4.73 | 9 |
4位 | 鳥谷(阪神) | 4.66 | 7 |
5位 | 石川(横浜) | 4.30 | 17 |
鳥谷は宣言通り、失策わずか7と、ひとケタを実現。これは井端よりも少なく、「土のグラウンドで年間フル出場して失策数ひとケタ」は史上初の快挙だという。
しかし、失策数の減少と引き換えに、RFは昨季より大きく数値を落とし、リーグ4位に下降している。エラーしない堅実な守備を意識するあまり、追いつく打球を減らしてしまったのだろうか。
そんな中、RFで井端をわずかに上回り、1位に躍り出たのは、巨人の若武者・坂本勇人である。ちなみに守備イニングで計算すると、ヤクルトの川島慶三がこれを上回り、1位になる。
守備が正当に評価されるために鳥谷は何をすべき?
鳥谷の苦悩が聞こえてきそうだ。
'08年の記録的なレンジファクター。それにもかかわらずゴールデングラブを逃した不遇な評価。
'09年、史上初の、土のグラウンド失策ひとケタ。しかし、やっぱり受賞はならず。
「たくさん打球をさばいてもダメ。エラーを減らしてもダメ。もうこんな賞はいらん!」
そう嘆いていないことを祈る。来季はエラーを減らすより、アウトを多く獲ることに重きを置いて欲しい。鳥谷の守備が正当に評価される道は、それしかない。