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リストラ男の意地がある!
ソフトバンク・田上秀則の覚醒。 

text by

田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byShigeki Yamamoto

posted2009/08/10 12:10

リストラ男の意地がある!ソフトバンク・田上秀則の覚醒。<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

突き付けられた戦力外通告。合同トライアウトでも落選。

 '02年、中日に入団。翌'03年にはウエスタンリーグで本塁打王となったが、在籍4年間での一軍出場はたったの13試合。'05年のシーズン終了後、球団から戦力外通告を受けた。

 この年の合同トライアウトでも無安打と、全くアピールできなかったが、ソフトバンクが救済の手を差し伸べた。獲得の理由は、この年、城島のFAが確実視されており、「打てるキャッチャー」を探していたからだった。しかもソフトバンクには、戦力外から這い上がり活躍した、宮地克彦という前例もある。一軍での実力は未知数とはいえ期待度は高かった。

 移籍当初、「ポスト城島」と言われていた田上は今年、オールスター戦出場を果たすなど覚醒した。若菜は、捕手として今後の彼の活躍に期待を寄せる。

「今年、たくさん経験を積んで自分のリードができるようになってきていると感じます。インコースの使い方もうまくなっている。相手バッターがストライクを見逃すケースが多いんですよ、彼のリードで。見逃しをするということは、予期せぬボールが来たということ。相手の考えを読む能力も身についてきているし、楽しみですね」

リストラ男からリベンジ男へ。中日撃破で日本一!

 現在、ソフトバンクは首位争いを演じている。そしてセ・リーグでは、田上を手放してしまった中日もクライマックスシリーズ圏内にいる。

 だからつい、こんな想像をしてしまう。

 日本シリーズで両者が対戦することになれば、田上にとってリベンジとなる。相手捕手は谷繁元信。球界ナンバーワンと呼ばれる男を打撃と頭脳で翻弄する。

 そんな痛快な戦いをぜひ観てみたい。

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