野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
ロッテのスター、サブロー移籍の何故?
ファンの怒りと嘆きの声を聞け!
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2011/07/06 12:40
7月1日に東京ドームで行われた中日戦で、移籍後初打席初本塁打を放ったサブロー改め大村三郎。「打席に入ったときにファンの方からの大歓声があってありがたかった」と試合後にコメントしている
功労があった選手との別れには、ファンの納得が必要だ。
別れは辛い。
功労者と呼ばれるような愛した選手との別れ際であれば尚更だ。
そんな別れがある限り、球団側はそれ相応の気遣いをしてあげなければ、少しでも別れを納得できる要素を残してあげなければ、ファンはなかなか理解できるものじゃない。
例えば、昨年オフの楽天は、チームの精神的支柱である渡辺直人を放出し、選手・ファンに大きなダメージを与えた。
一方で日本ハムもロッテ同様優勝メンバーをポンポンと気前よく放出している感があるが、こちらは前々々回の記事で取材した日ハムファンの一人に「思い入れのある森本稀哲、高橋信二ら優勝メンバーが移籍したのはショックだったけど、うちにいてもレギュラーは難しいだろうし、それならば他球団で活躍した方がいいと思うし」なんて言わせるように、別れ際の見極めがとても上手な感じを受ける。
だが、ロッテの今回のサブローとの別れは、ヘタクソこの上なし。
トレード後に出た石川球団運営本部長のコメント、
「生え抜きというのは関係ない。チームに変化を与えていかないといけない」
これは、たとえ正論だとしても、360%ファンの神経を逆撫でる。
「ホントに憎たらしい。サブローじゃなくてフロントが退団してほしい」(28歳・女性)
「生え抜きなんていらないって言ってるようでは、今後マリーンズに入団してくれる有望選手もいなくなるんじゃないですか?」(30歳・男性)
「和」になったり「ゴタゴタ」になったり……。
ロッテはホントに不思議なチームだ。
昔からフロントとのゴタゴタがずっとあるくせに、これがまとまったときは'05年、'10年と、奇跡的な力で日本一になっている。
一昨年、バレンタイン解任問題でゴタゴタかと思えば、昨年、チームは現場・フロント・ファンが三位一体となった「和」の力で日本一。そして「和2011」を掲げた今年はまたゴタゴタ。「ロッテ倒すにゃ刃物はいらぬ。フロント暴言すればいい」てな感じだ。
団結した時のマリーンズは本当に強い。そして、他球団のファンすらも羨ましく思うほどの心に響く劇的な野球をやってくれる。