フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
浅田もヨナも順調な仕上がり。
カナダ代表の母急死が五輪を揺らす。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byGetty Images
posted2010/02/23 19:20
母を亡くすという悲劇が採点に影響することはあるか?
直前に母を亡くすという人生最大の悲劇が、ロシェットの五輪の本番の演技にどのような影響を与えることになるのだろうか。カナダスケート連盟の理事、ウィリアム・トンプソンはこう語る。
「ジョアニーが気丈に練習を続けているというのは、私にとって驚きではない。そして本番で素晴らしい演技をしても驚かない。彼女は強い心を持ったアスリートだから」
こんな状況では、最後まで滑りきるだけでも、勇気ある行為だ。
もしもメダリスト候補である彼女が普段の力を出し切ることができたなら、会場はカナダの観客たちの涙と大歓声に包まれるだろう。その空気が採点にどのように反映されることになるのか。こう言っては不謹慎かもしれないが、採点競技の観点から見ると大きな未知のファクターが一つ増えたことになる。
23日女子SPでは、出場選手30人中浅田真央は22番目、鈴木明子が24番目、安藤美姫は最終滑走の30番目。ロシェットは26番滑走となっている。