濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
生中継、無料配信はあたり前!
格闘技大会成功の鍵はネットにあり。
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byGetty Images
posted2011/06/21 10:30
FacebookとYouTubeにより、ライブで無料配信された小見川道大(写真左)対ダレン・エルキンスの試合。小見川は敗れたものの、全世界の格闘技ファンへとその存在をアピールした
UFCが行なう、全世界のファン獲得へ向けた環境作り。
かつては、PPVテレビ中継は北米だけでしか見られなかったから、他国のファンには関係のないことだった。だが今は違う。テレビだけでなくインターネットでのPPVも行なわれているのだ。パソコンとネット環境、それにクレジットカードさえあれば、世界中どこでもUFCの生中継を楽しめる。日本のファンも、WOWOWでの録画放送が待ちきれなければネットPPVを見ればいい。
無料→有料への誘導。インターネットを使った世界配信。単に世界中からトップ選手が集まるというだけでなく、UFCはユーザーの興味を引き続ける環境作りという面でも世界最大の格闘技イベントなのだ。
ネットPPVの秘める、大きな可能性。
日本でも、記者会見のUSTREAM中継やバックステージ映像のYouTubeによる配信が定着しつつある。
6月25日に代々木第二体育館で開催される「K-1 WORLD MAX」では、USTREAMとYouTubeによる無料中継が実現。直接的な収益には結びつかないものの、会場への“誘導”や海外開催へのアピールとして力を発揮するはずだ。
ネットを使った大会中継が大きな“鉱脈”であることは間違いない。日本ではテレビ=地上波というイメージも根強いが、格闘技は基本的にマニアックでエクストリームなスポーツ。“老若男女”より先にアピールすべきターゲットが、そこには確実に存在する。