野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
毎年恒例の交流戦「ライバル宣言」。
今年の「勝者」と「敗者」を総括する。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2011/06/20 12:55
昨年、初めて一軍登録となった山田大樹。昨季は育成選手としてはパ・リーグで初となる勝利を飾ったが4勝どまりだった。今季交流戦終了後の時点ですでに6勝をあげている
山本省吾の貴重なキャラクターは大事にしたい。
ならば逆にトレードで獲得した山本省吾はどうかと言えば、寺原とのトレード対決となった6月14日のオリックス戦に登板。前田、日高、鈴木、横山、後藤、山崎、大引、赤田、坂口、田口、下山と元同僚から大量のライバル指名を受ける人気者ぶりを見せつけるも、5回1/3を5失点でKO。6月1日にも4回2/3を4失点KOされて2連敗。その山本が「えいえんのらいばる」と指名したのは投手の近藤一樹。「まきゅう・ちぇんじあっぷをうちのめしたい!」とやれば、近藤も「仲良しでしたよね。対戦してるというと投げ合ってるんですよね」と互いに指名し合い仲睦まじいところを見せつけたが、二人はついにグラウンドでまみえることはなかった。
さらにこの山本は、昨年は交流戦4勝を挙げているが、今回は5連敗で防御率も最下位。
成績は奮わなかったが、ロッテ大松に「石川のスター大松選手の胸を借りたい」と褒め殺すわ、西武の佐藤友亮に「セーフティーの構えだけしてベンチに色目つかうのはやめて下さい。右打ちしてますアピールもやめて下さい」と揺さぶりを掛けるわ(結果は右打ちさせず3タコ)、そのキャラクター性は貴重なだけに来季以降に期待したい。
そんな山本を同じセ・リーグのドラゴンズ英智が何故か指名しているのは実にシュールで笑えるが、ヤクルト福地が「完全にKOしたい」と強気で宣言している小野寺が、トレードでチームメイトになっていることは非常に気まずい。このへんはアンケートを取った時期による誤差の範疇と黙認し、見て見ぬふりをすることだ。
古巣・横浜の投手全員にライバル宣言の内川が打ちまくる!
以下、スペースがないので気になったものを羅列する。
ソフトバンクの内川を「すごいヒットを打っているので投げたらどうなるのかなって思います」と指名したカープの弦本。17対2で敗れた試合で福井、今村の後を受けて登板し、1/3回を暴投、押し出しを含む1安打3四球で、内川に回って来る前に降板した。これで内川に対峙していたら別の意味でどうなったのか気になるところだ。
そのホークス内川は横浜投手陣全員に対しライバル宣言。ハミルトン、高崎、牛田、須田、小林太から17打数で7安打とほぼ全員からすごいヒットを放ち、「お帰り」の挨拶代わりに乱れ飛んだハマスタからのブーイングを黙らせた。
挨拶といえば、「地元が近いのにまだ挨拶がない」とライバル宣言でヤクルト宮本に説教されてしまったオリックス岸田は、6月9日二人の地元大阪での宮本との対戦でライト前ヒットを律儀にも献上し挨拶に代えさせていただいた。