野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
毎年恒例の交流戦「ライバル宣言」。
今年の「勝者」と「敗者」を総括する。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2011/06/20 12:55
昨年、初めて一軍登録となった山田大樹。昨季は育成選手としてはパ・リーグで初となる勝利を飾ったが4勝どまりだった。今季交流戦終了後の時点ですでに6勝をあげている
ソフトバンクの圧倒的な優勝で19日に幕を閉じた今年の「日本生命セ・パ交流戦」。
これをやっと終わったかと感じるか、もう終わりかと惜しむべきかは、贔屓チームの出来次第というところだろうが、しかし、今年もセ・リーグは負けた負けた。
唯一ドラゴンズが14勝10敗と勝ち越しただけの“好竜戦”とはよく言ったもので、あとのセ・リーグチームは今年も借金だらけ。「交流」なんて生ヌルイ、手も足も出ない“拘留戦”、総称で「基本低迷セが拘留戦」と言い替えたいぐらいの戦績だった。
そんな今年の交流戦について今回は総括してみようと思うのだが、ただ振り返るのも芸がないので、昨年の交流戦でも取り上げた「ライバル宣言」を元に超私的な対決を振り返ってみようと思う。
「ライバル宣言とは何ぞや?」という人は、選手会のページや去年の記事を参考にしてほしい。
ダルビッシュを抑え、最多のライバル指名を受けた前田健太。
では、まず今回12球団で最も多くのライバル指名を集めた人から。
昨年100票というダントツのライバル指名を受けた日本ハムのダルビッシュを抑え、今回は昨年の交流戦で最優秀防御率となった広島の前田健太がそのターゲットに挙げられた。
尚、セ・パの投手と野手の最多指名者となった選手は(これも選手会のHPに出ているのだが)、パでは投手部門でダルビッシュがセ・リーグ野手の約50%より指名を受けている。パの野手部門では、T-岡田がセ投手の約47%から指名を。セ野手部門では青木がパ投手の約61%となっており、全選手中で最多の指名を受けた前田健太は、パの野手の63%から指名を集めていた。
というわけで、今交流戦の正真正銘のナンバーワンターゲット。狙われたマエケンのライバル宣言から見ていこう。
初登板となった5月22日のロッテ戦は、7回10奪三振で勝利に貢献。
「もう一度打席に立ちたい」と指名した清田、「昨年完全に打ち取られた為」の井口がそれぞれ1安打を放っている。6月4日のオリックス戦は、「エースだから」と指名した交流戦首位打者の坂口、「昨年のリベンジ」と意気込むT-岡田が、それぞれ2点タイムリーを放ち、「沢村賞投手を打ち崩す」と指名した田口もチャンスを広げる安打でマエケンを打ち崩した。6月10日西武戦では、「打つ」と意気込んでいた銀仁朗が3タコをくらい、「TVで見ていて勢いがすごい」という理由の後藤武敏は念願の生マエケンから初打席でレフトにツーベース。