MLB Column from USABACK NUMBER
フィリーズvs.ヤンキース。
ワールドシリーズ徹底戦力比較。
text by
李啓充Kaechoong Lee
photograph byGetty Images
posted2009/10/29 10:30
1.516とポストシーズンで驚異的なOPSを残したアレックス・ロドリゲス。リーグ優勝を決めたエンゼルス戦後、シャンパンファイトの最中に9年ぶりのワールド・シリーズ制覇への想いを語った
ワールドシリーズの組み合わせが決まった。フィリーズとヤンキース、両リーグとも、最強チームが順当に勝ち上がってきたと言ってよいだろう。
さて、以前のコラムで、「ワールドシリーズを制するのは10月に一番強いチーム」と書いたが、今回は、両チームの戦力を、10月(ポストシーズン)に限って比較してみよう。
なお、比較の指標として、打力はOPS(出塁率と長打率の和
、詳しい説明はこちら
)、投手力はWHIP(投球回数当たりの四球とヒット数の和
、詳しい説明はこちら
)を用いた。
● 表1 OPSで見た打力の比較 (赤字は絶好調選手)
ヤンキース | ||
---|---|---|
打者名 | OPS | |
A・ロドリゲス | 1.516 | |
D・ジーター | 1.029 | |
J・ポサダ | .845 | |
松井秀喜 | .761 | |
M・カブレラ | .740 | |
R・カノー | .713 | |
J・デーモン | .677 | |
M・テシェラ | .580 | |
N・スイッシャー | .378 | |
チーム平均 | .800 |
フィリーズ | ||
---|---|---|
打者名 | OPS | |
J・ワース | 1.207 | |
R・ハワード | 1.203 | |
S・ビクトリーノ | 1.161 | |
C・ルーイス | 1.000 | |
C・アトリー | .833 | |
R・イバネス | .720 | |
J・ロリンズ | .596 | |
P・フェリース | .567 | |
チーム平均 | .840 |
表1に打力の比較をまとめたが、チームOPSは、ヤンキースの8割0分0厘に対して、フィリーズが8割4分0厘と上回る。ヤンキースの絶好調選手がA-ロッド、ジーターの2人に限られるのに対し、フィリーズは、ワース、ハワード、ビクトリーノ、ルーイスと4人もいることがチーム打力の差となって現れた。
もっとも、スランプに陥っていたデーモン、テシェラに、リーグ選手権シリーズ後半から当たりが戻ってきているので、打力はほぼ互角と見てよいだろう。
● 表2 WHIPで見た投手力の比較 (赤字は絶好調選手)
ヤンキース | ||
---|---|---|
先発 | WHIP | |
C・C・サバシア | 0.882 | |
A・ペティート | 1.053 | |
A・J・バーネット | 1.309 | |
救援 | WHIP | |
M・リベラ | 0.937 | |
D・ロバートソン | 1.333 | |
P・コーク | 1.504 | |
D・マルテ | 1.504 | |
J・チェンバレン | 2.102 | |
P・ヒューズ | 2.355 | |
A・アセベス | 3.004 | |
チーム平均 | 1.220 |
フィリーズ | ||
---|---|---|
先発 | WHIP | |
P・マルティネス | 0.286 | |
C・リー | 0.699 | |
J・ブラントン | 1.241 | |
C・ハメルス | 1.510 | |
救援 | WHIP | |
C・ダービン | 0.000 | |
B・リッジ | 1.000 | |
朴賛浩 | 1.502 | |
R・マドソン | 2.000 | |
B・アイヤーズ | 2.985 | |
J・A・ハップ | 2.997 | |
A・バスタルドー | 3.003 | |
チーム平均 | 1.175 |
投手力については表2にまとめたが、ヤンキースのチームWHIP1.220に対して、フィリーズが1.175と、わずかに上回る。ヤンキースはサバシア、フィリーズはリーと、ともにエースが絶好調だ。