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小林可夢偉の快挙。 

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西山平夫

西山平夫Hirao Nishiyama

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photograph byHirao Nishiyama

posted2008/03/27 00:00

小林可夢偉の快挙。<Number Web> photograph by Hirao Nishiyama

 3月23日、F1マレーシアGP前座“GP2アジア・シリーズ”第3大会・レース2に出場した小林可夢偉(こばやし・かむい)選手が予選4位から独走。スタート・ツー・フィニッシュを飾り、日本人GP2初優勝の快挙を成し遂げた。

 これまでF1直下のフォーミュラには過去何人もの日本人ドライバーが挑戦。ヨーロッパF2シリーズでは1970年代の生沢徹、80年代の中嶋悟。国際F3000がGP2シリーズに衣替えしてからの吉本大樹、中嶋一貴、平手晃平らが健闘したもののいずれも最高位2位。そのシルバーコレクターの壁を小林可夢偉が破ったのだ。

 金曜日予選での可夢偉は8位。上位者の降格により7位のポジションから土曜日のレース1をスタートすることとなったが、レースはスタート直後に雨。オープニングラップがクラッシュやコースオフ続出で大混乱となったため赤旗中断。可夢偉は混乱に撒き込まれポジションをドロップして行くが、再スタート後追い上げに転じ、うまいタイミングでピットイン、タイヤ交換。5位までポジションを上げてフィニッシュした。

 日曜日午前中に行われた22周のレースは、レース1の1〜8位のリバース・グリッド。2列目イン側4位ポジションからダッシュした可夢偉は最前列の間を割ってトップに躍り出、1コーナーにホールショット! その後一度も首位の座を譲ることなく、トップでチェッカーを受けたのだが、必ずしも楽勝とはいえなかった。

 というのも9位からスタートした強豪R・グロージャンが、後方から一気の追い上げ。2位を走るレース1の勝者V・ペトロフの必死の抵抗をかいくぐり、残り9周で2位に進出するや最速ラップを更新しながら可夢偉を追う。8秒弱あったその差は残り5周で6.7秒、残り3周で5秒、ラストラップ3.8秒と縮まったが、最後は可夢偉がグロージャンを4秒差に突き放してチェッカーとなった。

 「グロージャンが来ることは分っていたので、ペトロフを抜いたことを知った時には『これはマズイッ!』と思いましたが、それまでにプッシュしておいたのが利きました。スタートは元々得意だったし、昨日のレースで『これやッ!』というのを見つけましたから」と、勝因を語る。

 小林可夢偉は1986年9月13日、兵庫県生まれ。年少の頃からゴーカートを始め、2002年にヨーロッパカート選手権シリーズに参戦。2005年にはフォーミュラ・ルノーのイタリアおよびユーロ選手権チャンピオンとなり、2008年はGP2アジアおよび本場ヨーロッパのGP2シリーズに参戦。いっぽうでトヨタF1のサードドライバーも務める。現在の住居はパリ。趣味は音楽と空手。

 来季トヨタF1正ドライバー昇格の可能性がきわめて強い小林可夢偉が、2週間後のバーレーンF1前座GP2第4大会で再び“君が代”を流せるかどうか。シリーズ・ランキングも気になって来たという小林可夢偉の二度目の表彰台に期待したい。

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