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試合に負けたが“賭け”には勝った!?
石川遼、堂々の全米オープン決定。 

text by

雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

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posted2011/05/25 10:30

試合に負けたが“賭け”には勝った!?石川遼、堂々の全米オープン決定。<Number Web> photograph by KYODO

日本での全米オープン最終予選に出場せず、自らの力で出場権を獲得したかった石川遼。浜松オープンでは、堂々の単独2位で、その約束を果たした

最終予選での出場権確保という“保険”を自ら放棄。

 この世界ランクによる方法以外に、石川には日本最終予選を勝ち抜く道もあった。世界ランクが発表されたのと同じ23日に茨城GCで行われた予選には、前年の日本ツアー優勝者や賞金ランク上位選手が出場。34人中上位4人が本大会への切符を手に入れた。

 1日36ホールの一発勝負とはいえ、日本で常に上位を争っている石川のような選手ならチャンスは決して小さくはないはずだった。

 ところが、石川はこの予選にエントリーしなかった。エントリー期限は4月末。この時点で世界ランク50位以内を保てるかは分からない状況だったにもかかわらず、保険をかけてエントリーすることすらせずに自らチャンスを放棄したのである。

 その理由について石川はこう語っていた。

「今の自分にとって、そこまでして全米オープンに出ることの意味、意義というのが見いだせなかった。優勝するためにトーナメントに出場するのに、全米オープンだけはまだそういう気持ちで挑めない」

世界で最も難しいと言われる全米オープンのセッティング。

 同じ海外メジャーでもマスターズなら石にかじりついてでも出たい。全米オープンにはそこまでの思い入れがない。

 さらに、世界でもっとも難しいといわれるセッティングの厳しさも気持ちに歯止めをかけた。

「出場しているメンバーは他のメジャーと大差ないけど、難しいコースのセッティングへの対応がまだまだできないかな。メジャーの中で優勝を考えたときに一番遠くに見えるのが全米オープンなんです」

 とはいえ、ペブルビーチで行われた昨年の大会では2位で予選を通過した実績もある。日米の往復で体力的には厳しくなるが、四の五の言わずに出てみれば得るものは必ずあるはず。

 それでもあえて予選会にはそっぽを向いた。

【次ページ】 「50位以内の資格で出られないようでは、意味がない」

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