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試合に負けたが“賭け”には勝った!?
石川遼、堂々の全米オープン決定。 

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雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

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posted2011/05/25 10:30

試合に負けたが“賭け”には勝った!?石川遼、堂々の全米オープン決定。<Number Web> photograph by KYODO

日本での全米オープン最終予選に出場せず、自らの力で出場権を獲得したかった石川遼。浜松オープンでは、堂々の単独2位で、その約束を果たした

 久しぶりに石川遼の勝負強さを見た気がした。

 5月22日まで行われていた浜松オープンで石川は2位になった。小林正則とのプレーオフまでに持ち込んだ正規の18ホールでの粘り、ミスの目立ったプレーオフ2ホールのプレー内容云々ということではなく、「単独2位」という成績が勝負強さを感じさせたのである。

 明けて23日に発表された世界ランキングで石川は53位から49位に順位を上げ、全米オープン出場権を与えられる同日付の50位以内に滑り込んだ。

 ツアー関係者は浜松オープン前に「単独2位以上なら大丈夫じゃないか。2位タイだとどうなるか分からないけど」と大まかな試算をしていた。プレーオフで敗れたとはいえ、全米オープン出場権を考えれば注文通りの成績だったというわけだ。

 石川は賭けに勝った。

 なぜ「賭け」だったのか。

1回目の締め切り当日に、出場圏内の49位にランクアップ!

 2011年春の時点において、石川が全米オープンの出場権を得るための方法は3つあった。

 まずは世界ランクによる2度のチャンスだ。

 大会3週前の5月23日、そして今年から新たに設けられた大会直前の6月13日にデッドラインがあり、そのいずれかで50位以内に入ることが条件となっていた。

 昨年は大会1カ月前の締め切りを過ぎた後の米ツアー「メモリアル・トーナメント」で若手実力派のジャスティン・ローズが優勝し、米国期待の星であるリッキー・ファウラーも2位に入る活躍を見せた。

 当初は50位圏外にいた2人はこの結果によって全米オープン前に50位以内に順位を上げたのだが、すでに期限を過ぎていたために大会出場がかなわなかった。

 人気選手に出てもらいたいのはどの国でも、どんな大会でも同じ。もちろんファンだって同じ思いでいる。

 大会を主催するUSGA(全米ゴルフ協会)は「最も競技力のある選手の競う場にするのが我々の使命。昨年のローズやファウラーのような不運な例をなくしたい」ということで、“空白の1カ月”をなくすため、今年から大会直前のランクインも認められるように、規定を改正したのである。ちなみに来年は出場権獲得範囲が同ランク60位まで拡大されることにもなっている。

【次ページ】 最終予選での出場権確保という“保険”を自ら放棄。

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