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ドゥンガ 「緻密さと総合力の融合こそ強さの秘密」 

text by

大野美夏

大野美夏Mika Ono

PROFILE

posted2005/12/22 00:00

 システムも関係ない。3-5-2だろうが、4-4-2だろうが基本は一緒。ボール捌きがうまく、次の一歩を準備できる能力の高い選手なら、どのシステムでも対応できる。ただ、ブラジルは伝統的に4-4-2でプレーすることが多い。理由は、そのほうが一番満遍なくピッチ全体に選手を配置できるからだ。空いているスペースが少なく、ポジショニング、カバーリングが一番効率よくできるんだ。でも重要なことは、システムは最後の入れ物であって、入れ物を最初に作ってはめ込むものじゃない。まずは、選手ありき。個性が違う選手がそれぞれの役割、SBなら守って、攻撃参加をしてクロスを上げるという役割が大事なんだ。自分の役割プラス周囲との連繋、サポート、カバーリング、パスの交換、チャンスを互いに作りあうこと。それをするのに、たまたま選手の配置が4― 4― 2というフォーメーションになっているにすぎないんだ。

 ドイツW杯の優勝候補No.1は間違いなくブラジルだろう。ちょっと距離を置いて、アルゼンチンとイタリアが続いている。しかし、“無敵”なチームなどあり得ない。一番怖いのは自分自身だ。もう勝ったも同然という気が抜けた状態になったときは、間違いなくだめになる。その点、ドイツは侮れない。彼らは最後の1秒まで絶対に諦めないゲルマン魂を持っているからね。彼らはたとえ0― 5で負けていたとしても、最初の1分と同じように最後の1秒まで走り続けることができる。他の国だったら、絶対に諦めてしまう状況でもだ。'02年のときも、ドイツはそれほどのチームではなかったが、決勝にまで残っただろ。

 でも、1カ月もあれば大丈夫。直前合宿、試合を通して、互いに修正して完成度を高められれば、ブラジルはすごく強くなる。セレソンは大会の中で成長していくチームと言われる所以さ。

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