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Jの9チームから熱烈オファーの逸材。
流通経済大・山村和也の就職先は?
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byFAR EAST PRESS/AFLO
posted2011/05/15 08:00
2011年2月、U-22日本代表による中東遠征での山村(写真右)。バーレーン戦では、宇佐美貴史(写真右から2人目)ら攻撃陣を支えるボランチとして大活躍し、2-0で勝利した
岩政との南アW杯サブ組コンビで鹿島の4冠達成に貢献!?
それ以外にも優勝争いができるチーム、クラブハウスやスタジアムの環境施設面、チームの方針など、多々考慮する部分はある。では、こうした条件をベースに3チームの内、どこが理想的なのか探ってみよう。
鹿島は、前述したようにセンターバックの椅子が空席だ。伊野波は、海外志向が非常に強く、今シーズン終了後、鹿島に残留する可能性は低い。岩政とは南アフリカW杯の時、サブチームながらセンターバックでコンビを組んでいた。山村は「岩政さんには、ヘディングの仕方を教わるなど、いろいろお世話になりました」と、好印象を口にしている。鹿島入りが実現すれば、南アフリカW杯のサブ組コンビが実現し、話題になるだろう。
年齢層もレギュラーは、20代後半から30代の選手が中心だが、ロンドン五輪代表の大迫勇也など若い選手も試合に出始めている。サッカーの質は非常に高く、裏に抜けるのがうまい興梠慎三がいるので、得意のロングパス1本でゴールを狙えるチャンスもある。また、鹿島には練習試合でよく来ており、チームの雰囲気や環境なども知っている。同じ茨城県内で環境の変化がほとんどないのでストレスを感じなくていい。
ただ、唯一、不安なのが流通経済大学の関東リーグ初優勝に貢献した船山祐二が2007年に鹿島入団後、今年から山形に完全移籍、宮崎智彦も横浜FCに期限付き移籍をした。先輩が結果を出せずにチームを出ていることを、どう捉えるか。
レギュラー争いは激しいが、代表候補と切磋琢磨できる川崎。
川崎は、今季から相馬直樹監督になり、以前のような守備の選手の評価を下げるようなサッカーはしなくなった。ビルドアップ能力の高いセンターバックを欲しているのも山村の考えと符号する。レギュラー争いは、厳しいだろうが勝機は十分にある。
また、川崎には稲本潤一、中村憲剛という代表クラスのボランチがいる。ロンドン五輪代表ではボランチとしてプレーしている山村曰く「ヤットさんの動きをいつも見て、参考にしています」と言うだけに、似たスタイルの憲剛は、格好の手本になるはずだ。
年齢層は比較的、若い選手が多いが、中堅、ベテラン勢がしっかりとチームの軸になっている。ロンドン五輪代表組の薗田淳、安藤駿介、實藤友紀、登里享平らがいるのも心強いはずだ。
だが、それが仇になる可能性もある。これはチームの課題になるが、仮に山村が入団すれば、ロンドン五輪代表にDF3名が招集されるという事態になるからだ。