そして三沢なきリングに緑の紙テープが投げ込まれた。

　メイン終了後、選手全員がリングサイドに集まり、三沢のために追悼のテンカウントのゴングが鳴らされた。タイガーマスクのテーマソングが流れ、ビジョンにはタイガーマスク時代の名場面に続き、マスクを脱ぎ去るシーンが映される。BGMがスパルタンXに切り替わると、観客は選手入場口に掲げられた遺影に向かって三沢コールの大合唱。今にも三沢が花道を歩いてきそうな光景であった。

「赤コーナー、GHCヘビー級選手権者、255パウンド、三沢光晴」

　ノア旗揚げに尽力した盟友である仲田龍リングアナがラストコールをすると、三沢のいないリングに緑の紙テープが一斉に投げ込まれた。三沢に別れを告げたノアは、潮崎の勝利で新たなるスタートを切ったのである。