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G1初制覇、真壁刀義は
ブレない暴走で大人気。
~新日本プロレスの“草魂”王者~
text by
門馬忠雄Tadao Monma
photograph byEssei Hara
posted2009/09/07 06:00
リーグ戦全勝の中邑を破り、悲願の頂点に。帝京大プロレス同好会出身、同期は藤田和之
「こん畜生、負けてたまるか!」
流血のフルスイングだった。デビュー13年目で初めて夏を制した“暴走コング”真壁刀義、36歳。見事な逆転優勝には、こんな言葉しか見当たらない。「伸也(真壁の本名)君、辞めないで、本当によかったね」。素直に、おめでとう、と言いたい。
今年で19回目を迎えた新日本の看板イベント、G1クライマックス。恥ずかしながら筆者がVレースを的中させたのは、中西学が武藤敬司をアルゼンチン・バックブリーカーでねじ伏せ、初優勝を飾った'99年の第9回大会だけしかない。今回の真壁も、世界陸上の男子やり投げで銅メダルを獲得した村上幸史のように、まったくノーマークだった。“暴走コング”に「ふざけんじゃねえーよ。オレは金メダルだ」と襲われそうである。