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ポルトガル 「ロナウド依存症からの脱却を」 / プレーオフ詳報
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph byTsutomu Takasu
posted2009/12/01 10:30
本大会出場を決め、雄叫びをあげるぺぺ(下)とブルーノ・アウベス
南アフリカで躍動するポルトガルの姿は見られるか?
“順調に突破するよりも、苦しんだ方がいい場合もある”
翌日の地元紙には、そんな言葉もあった。
出場決定の翌日、代表一行はチャーター機でリスボン空港に降り立った。ケイロス監督は「南アフリカには勝ちにいく」と真面目に語り、リエジソンも興奮冷めやらぬ様子で「僕らは優勝を狙いにいく」と高らかに宣言した。
「これからの半年余りで攻守においてチームを完成させられるかどうか。ワールドカップでの成功を見てみたいが」
可愛い後輩を見守るかのように、コウトは言った。
ロナウドという類まれなタレントを擁しながら、ポルトガルは得点力不足に悩んでいる。まずはチームの中で生かされる選手にならなければ、彼がポルトガル代表で本来の力を発揮するのは簡単ではないだろう。
ワールドカップに向けた今後のチーム作りに関してケイロス監督は「まだまだ改善すべき点は多い。練習を重ねて連携を高めていくだけだ」と語っている。
あと一歩のところで、届かないタイトル。
ポルトガルはいつもそんな運命を辿ってきた。ルイス・フィーゴも、ルイ・コスタも、フェルナンド・コウトも、賞賛こそされ何のタイトルも獲ることはできなかった。
今、次世代を担うロナウドが、メイレレスが、ペペが、南アフリカの地に長年の夢を描いている。
苦しんだ末に手にしたワールドカップへの切符。解決すべき課題を克服し、2010年、ポルトガルはさらなる高みへと進むことができるだろうか。