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プロ野球の監督にとってキャンプは一番いい時?
text by
永谷脩Osamu Nagatani
photograph byKoji Asakura
posted2005/03/03 00:00
12球団のキャンプ巡りをするようになって十数年たつが監督に会うとまず聞く事がある。「今が一番いい時じゃないですかね」という質問だ。
今年、最初に訪れた日本一西武の伊東勤監督は「やな事がありすぎたけど、ユニフォームを着てしまえばね」と言っていた。厳しい環境に置かれているチームの指揮官らしいというべきか。青島の巨人では堀内恒夫監督が「あれこれ選手にもマスコミにも策を張りめぐらされる時だから」と笑い、宮崎のソフトバンク、王貞治監督も「オーナーの元気にこっちはあおられっぱなしだよ。若返ったよ」と温厚そうな顔をほころばせていた。浦添のヤクルト、若松勉監督もやはり笑いながら「勝負に関係ない時はいいんだよ」。しかし、日南の広島、山本浩二監督は「このまま始まらないといいけれど」と育ってこない若手に時間が足りないことを嘆き、北谷で悲願の日本一を目指す中日、落合博満監督は「一番いい時は日本一になった夜さ」とポツリ。とりつくしまさえなかった。